化学教室便り


化学教室この1年


豊田 耕三


同窓会の皆様におかれましては、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。

平成29年度は、豊田が化学科長および化学専攻長を務め、学科委員の福村知昭教授とともに化学教室および化学専攻の運営に当たりました。

平成29年4月1日には寺田眞浩教授が理学研究科長に着任され、研究科の運営に取り組まれることとなりました。 既に多くの改革がなされております。また、新たに3名の教授が着任されました。 まず、平成28年3月にご退職された福村裕史教授の後任として、北海道大学触媒科学研究所から叶(よう)深(しん)教授(物理化学講座・有機物理化学研究室)をお迎えしました。 同じく平成28年3月にご退職された磯部寛之教授の後任として、理化学研究所基幹研究所の瀧宮和男教授(境界領域化学講座・有機化学第二研究室)をお迎えしました。 瀧宮先生は理化学研究所との兼務となります。そして平成29年3月にご退職された十川和博教授の後任の生命科学研究科 大橋一正教授が化学科・化学専攻兼務(先端理化学講座・生物化学研究室)となられました。

さらに平成30年1月1日には東北大学女性教員採用促進事業により橋本久子准教授(無機・分析化学講座・無機化学研究室)が教授に昇進されました。 引き続き飛田博実教授と共に無機化学研究室を運営されることになります。

平成30年3月には多元物質科学研究所の秋山公男准教授がご退職されました。秋山先生は電子スピンを介した光化学過程の研究に携わってこられました。 化学教室での長年の貢献に感謝申し上げます。

その他にも、平成29年度は多くの教職員が栄転・着任されました。 平成29年4月1日から平成30年3月31日までに採用、昇任、移動された方々は以下の通りです。

教授 叶 深 H29. 4. 1 付 採用 (有機物理化学研究室)

教授 瀧宮 和男 H29. 4. 1 付 採用 (有機化学第二研究室)

教授 大橋 一正 H29. 4. 1 付 昇任 (生物化学研究室)生命科学研究科兼務

助教 梅宮 茂伸 H29. 4. 1 付 採用 (有機分析化学研究室)

助教 菊池 隼 H29. 4. 1 付 採用 (反応有機化学研究室)

助教 川畑 公輔 H29. 8. 1 付 採用 (有機化学第二研究室)

助教 千葉 浩亮 H29.10.31 付 辞職

助教 井上 賢一 H29.11. 1 付 採用 (有機物理化学研究室)

教授 橋本 久子 H30. 1. 1 付 昇任 (無機化学研究室)

助教 山下 和成 H30. 1. 1 付 採用 (生物化学研究室)生命科学研究科兼務

助教 影澤 幸一 H30. 2.28 付 辞職

東北大学は、平成29年6月に指定国立大学に指定されました。化学教室の研究・教育については、内容を一新した化学教室のホームページや理学研究科ホームページでもお知らせしています。 これらホームページの改定は寺田研究科長や広報・アウトリーチ支援室始め関係各位のご尽力の賜物だと感謝しております。

また、理学研究科自然史標本館で化学系展示として非ベンゼン系芳香族化合物の展示に加えて、新たにシガトキシン研究関連資料の展示が始まりました。 これに合わせて、平成30年1月17日に平間正博名誉教授・安元健名誉教授・村田道雄教授(大阪大学)による記念講演会を開催しました。 当日は名誉教授の先生方もお集まりくださり、講演前には展示を見学され和やかなひと時を過ごしていただきました。

授業関係では、平成29年11月14日に化学人材育成プログラム協議会の特別講演会「化学産業論」を開催しました。 講師は 迫 勘治朗 (昭和電工株式会社)、海老根 俊裕 (DIC株式会社)、林 直人 (東亞合成株式会社)各氏でした。 平成29年度は講演会形式で開催しましたが、平成30年度は大学院生・学部生向けの授業として実施予定です。

教育施策では、本年度も「マルチディメンジョン物質理工学リーダー養成プログラム」と総長裁量経費「卓越した大学院拠点形成(分子系高次構造体化学国際教育拠点)」の助成を受け、大学院生教育に充てております。

10月入学の留学生向けの課程である国際学士コース「先端物質化学コース(AMC)」及び大学院英語コース「先端理学国際コース(IGAPAS)」も受験者数・合格者数が安定してきており、学生の国際化が進んでいます。 10周年記念となった化学系サマースクールや理学・生命科学研究科合同シンポジウムのような学内共同のシンポジウム運営を通した学生同士の国際交流も盛んです。

社会貢献の一環として「学都仙台サイエンスデイ」(7月16日開催)において、東北大学理学部化学科長賞を設けました。 平成29年度は仙台二華中学校自然科学部が受賞しました。毎年実施しているオープンキャンパスでは、新たに化学科の旗を作成いたしました。 赤紫色の地に化学科のシンボルマークを印刷しています。また、東北大学ホームカミングデ―や理学研究科保護者交流会にも協力しています。 機会があれば、化学同窓会の皆様も東北大学・化学教室を訪問していただければと思います。

以上、化学教室の近況をご報告申し上げました。

今後も化学教室の発展に向け、構成員一丸となって邁進していく所存ですので、引き続き同窓会の皆様のご協力とご支援を賜りますと幸いに存じます。

末筆ながら、皆様の益々のご健勝とご発展をお祈り申し上げます。

平成30年7月5日


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