化学教室便り


化学教室この一年


林 雄二郎


同窓会会員の皆様におかれましては,ますますご清祥のこととお慶び申し上げます.

平成26年度は林が化学科長および化学専攻長を務め、学科委員の西澤精一教授とともに化学教室および化学専攻の運営に当たりました。

平成27年3月に、小林長夫教授、齋藤正男教授、佐上博准教授の3名の先生方がご退職になられました。これまでの化学教室、化学専攻へのご尽力に感謝の意を表したいと思います。

小林長夫先生は、平成7年4月からの長きにわたり、境界領域化学講座、機能分子化学研究室を主催され、化学教室また理学研究科のためにご尽力いただきました。退官後は故郷の信州大学の特任教授としてこれからも研究、教育に携わると伺っています。

多元研の齋藤正男先生は、平成10年に米・ケースウェスタン大学から反応研(現・多元研)に着任されてより、現在の生体機能化学講座、タンパク機能解析研究室を主催され、17年間にわたり多くの学生の指導、研究に携わってこられました。退職後も国際生物無機化学会の会長や、政府系機関の顧問を務めておられ、今後も様々な立場から研究や科学行政に関わられるそうです。

多元研の佐上博先生は、昭和55年4月、当時の非水研に採用された後、反応研そして多元研と改組されるなか、35年間の長きにわたりご尽力いただき、多くの学生に研究・教育指導をしていただきました。退職後もイソプレノイド研究会会長、宮城学院女子大学で教鞭をとるなど忙しい日々を過ごしておられます。

また同じく、平成27年3月に佐々木伸樹助手がご退職されました。佐々木先生は昭和47年10月に文部技官に採用されてから42年6ヶ月の長きにわたり、学生実験を担当し、多くの学生を指導されてきました。化学教室における長年の貢献に感謝申し上げます。

その他にも、平成26年度は多くの教職員が栄転・着任されました。平成26年2月1日から27年3月31日までに採用や異動された方々は以下の通りです。

准教授  佐藤  格 26.3.31付 辞職 茨城大学理学部教授へ

講 師  山下 修治 26.3.31付 辞職 (ハーバード大学留学)

助 教  堀本 訓子 26.3.31付 辞職

助 教  石山 達也 26.3.31付 辞職 富山大学工学部講師へ

准教授 RZEZICKA IZABELA IRENA 26.4.1付 採用

助 教  Lu Hua   26.4.1付 採用

助 教 COSQUER GOULVEN 26.4.1付 採用

助 教 椴山 儀恵 26.5.31付 辞職 分子科学研究所准教授へ

助 教  近藤  梓 26.6.1付 採用

講 師  高岡 洋輔 26.7.1付 採用

准教授 Breedlove Brian Keith 26.10.1採用

助 教  王   琳 26.10.1付 採用

助 教   中野 元善 26.10.1付 採用

助 教   千葉 浩亮 27.1.1付 採用

教 授   小林 長夫 27.3.31付 定年退職

助 手 佐々木伸樹 27.3.31付 定年退職

助 教 Lu Hua   27.3.31付 辞職

助 教 岩崎浩太郎 27.3.31付 辞 職 生命科学研究科助教へ

化学専攻事務室

主 任   富田実喜子 27.7.1付 異動 工学研究科マテリアル 開発系事務室主任へ

主 任   齋藤佳名  27.7.1付 異動 法学研究科総務係主任から

化学教室では東北太平洋沖地震後の教育研究環境の復旧が進められました免震構造を備えた新棟の建設が平成26年10月に完了し、6研究室が新築なった理学研究科合同C棟の6、7階に移転しました。物理化学系の居室・実験室のある物理・化学合同棟(物理C棟)の耐震補強工事が平成26年8月に完了し、工事期間中に移転していた研究室が元に戻りました。化学棟の耐震補強工事と、化学棟の耐震性の向上を目的とした6階以上の減築整備のための工事が平成27年3月に終了しました。これに伴い、6階以上の研究室が化学棟の4階以下あるいは理学部総合棟に移転しました。学生実験室、講義室等の耐震補強工事に関しては、学生実験に出来るだけ影響を与えないように配慮を行いながら、平成26年6月に終了しました。以上の工事で震災後の施設面での復旧事業は一段落した事になります。これで落ち着いて研究、教育に専念できる環境が整った事になります。これらの環境整備は東北太平洋沖地震直後から福村先生が研究科長として陣頭指揮をとられて進められてきたもので、ここに福村先生に化学教室そして理学研究科の復旧復興への御尽力されたことに感謝の意を表したいと思います。

理学系研究科で総合棟の完成を祝って、シンポジウムが開催されました。また化学専攻としましても、櫻井英樹名誉教授に「東北大学理学部の創設と化学教室の発展」と題した一般雑誌会を開催し、何人かの名誉教授の先生にお集りいただき、新棟の内覧会を開催致しました。

平成26年度は外部評価が実施されました。化学専攻の外部評価委員を、物化系は田中晃二先生(京都大学物質?細胞統合システム拠点特任教授)、無機・分析系は増原宏先生(大阪大学名誉教授・台湾国立交通大学講座教授)、有機化学系は奈良坂紘一先生(東京大学名誉教授・台湾国立交通大学教授)にお願いしました。現状、今後に関する説明を行い、数多くの貴重なご助言をいただきました。これらは2014年度実施外部評価報告書にまとめられています。

教育施策では、本年度も博士リーディングプログラム「マルチディメンジョン 物質理工学リーダー養成プログラム」と総長裁量経費「卓越した大学院拠点形成(分子系高次構造体化学国際教育研究拠点)」の助成を受け、大学院生教育に充てております。理学研究科の大学院英語コース「先端理学学際コース(IGPAS)」、先端物質科学コース、大学の世界展開力強化事業(キャンパスアジアプログラム)という国際性豊かな教育環境も継続しており、多様な人材育成に努めています。

以上、化学教室の近況をご報告申し上げました。

今後も一層の発展に向けて、化学教室の構成員一同力を合わせて努力していく所存ですので、同窓会の皆様のご協力とご支援をお願い申し上げます。

末筆ながら、皆様の益々のご健康とご発展をお祈り申し上げます。

平成27年8月21日


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