同窓会への便り



昭和29年卒クラス会  上野 邦彦

昭和46年卒クラス会  西脇 建一郎






昭和29年卒同期会



上野 邦彦(昭和29年卒)



 「来る勿れの関」と八幡太郎義家にも歌われた、偏狭の地「いわき市」で開催となった同級会の幹事としては「はたして何人参集するか?」「参集してもらっても喜んでもらえるか?」大変心配しました。しかし、長崎、宝塚、大阪、東京、仙台と15名(1名は手違いで不参加)の参加を得て、平成16年6月3−4日に開催、初日はいわき駅前集合、バスで→岡倉天心美術館→勿来の関→石炭化石館→白水阿弥陀堂を巡ってスパ・リゾート・ハワイアンズに宿泊。翌日はホテル→アクア・マリン・フクシマ→塩谷崎灯台→いわき駅を巡るコースで温泉と自然と地方の文化を楽しんで貰いました。

「空気がうまい!海が綺麗だ!いわきも中々良いところだ!」となりました。

・宴会開催時に5名の亡き友を偲んで黙祷

・出席者近況と活動状況報告は実に和やかで懐かしく、用意したカラオケには手付かず全員二次会で延長戦となりました。

・元気に山登りを楽しんでいたり、外国を相手に頑張っていたり、国語学者に刃向かう論文を出し評価されていたり、化学教室の仕組みと将来に情熱を注いでいたり、今も請願されてお勤めをしていたり、新たな特許、工夫に頑張っていたり、画家として活躍していたり、それぞれにより深く幅広く人生を謳歌している様子が窺えました。

「卒業して50年だ!何があっても可笑しくない!ポンコツに油差し差し何とか元気でまた会おう」が締めとなり次回は大阪ということで散会しました。

 なお、いわき市、東北、スペインなど私の描いた水彩画をお土産代わりに差し上げたところ、大変喜んで戴けたのは望外の喜びとなりました。素晴らしき良き同級生に感謝しております。





昭和46年卒クラス会


                       西脇 建一郎

                                

 持田さんから同窓会の案内が届いたのは2月であった。同級生の山内さんと前田さんの2人が日本化学会から賞をもらった。お祝いをしようとアレンジは持田さんが行った。世話人がいないとこういう集まりはできない。日時は4月3日(月)、場所は目白のホテル「リッチモンド」と記してあった。賞は、母校の教授になっている山内さんが学術賞、三菱化学に勤める前田さんが化学技術賞である。大学を卒業して30余年経ち、こうした賞の受賞理由は化学の世界にインパクトを与えたということであり、意義は大きい。仕事が内ではなく外で評価されたことは素晴らしい。我々は33年前の昭和46年に学部を卒業した。まだ大学は一番町の外れ、片平にあった。当時の仙台市の人口は30万ほどであったと記憶している。現在は100万と大きく発展した。

 

当日集まったのは、山内、前田、氏家、水野谷、半田、横森、小林、花光、持田、西脇と10人。所用で欠席と連絡があったのは10人、60人全員に出した。卒業した20年目の1991年に仙台の秋保温泉での集まったことがある。容貌は昔のままということはないが、持田さんの髭以外は、昔の面影そのままであり変わらない。懐かしさを語ることはなかった。まずは集合写真を撮り、講演は15時10分から始まった。

▼ 山内さん  ESRの新しい測定法を開発し、今まで見えなかった活性体を観察する。ユニークさはよくわかった。片平の化学教室が法科大学院にするために改修。化学教室今昔の写真は皆を喜ばせた。ESRはNMRに較べ地味でオタクとは可笑しい。

▼ 前田さん  三菱化成(当時)に入社したが、電子材料研究に転じ20年、CVRを開発し世界シェアーの80%となったのが評価された。料理教室へ通う。得意料理は餃子と語る。くっつかない方法はと問いかけあり。

▼ 西脇 3年前にインドへ行った。その時の見聞録。タージ・マハールの写真、ひすいと石灰岩を持参し地質の話を行う。

講演は時間通り16時30分に終わった。料理のコースに移る。参加していない友人の消息など。会っている同士に近況報告はいらない。ビール、赤ワイン、白ワインとちびりちびりと口に含む。ナイスミドルは穏やかな語り口だ。結構料理も多い。一番町の丸善が駅前に移転したそうだ。駅前に一番町は呑まれてしまっていると。時代の流れかな。花光さんが薬のネーム入りのボールペンとライトペンを配る。前立腺がんの治療薬の開発がうまくいったと。歌手の小田和正が建築で1級上、そうか、知らなかった。穏やかな会話が続いた。さて次回の集まりをどこでとの話題が出る。仙台、東京、結局、結論は出なかった。写真ができてきた。よく撮れている。いい顔をしている。

 今回のミドルの集いは本当に楽しかった。持田さんの楽しい場とする企画がいい。山内さんの研究を素人にも分かり易い説明となつかしい片平の写真。前田さんの話は自分自身の研究内容を語らない奥ゆかしさ、いずれもサービス精神に溢れている。そして異文化「インド」に聞き耳を立てる。持田さんの企画がよかった。彼なくしてはこの 集まりはできなかった。満開の桜の季節にとてもいい時を持った。



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