化学教室便り


化学教室この一年


寺田 眞浩


同窓会の皆様におかれましては、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。

平成28年度は、寺田が化学科長および化学専攻長を務め、学科委員の豊田耕三教授とともに化学教室および化学専攻の運営に当たりました。

先ず、長年に渡り化学教室の運営にご尽力いただきました十川和博教授が平成29年3月に退職されました。 十川和博先生は、昭和62年に理学部化学科生物化学研究室(当時)に助教授として着任され、改組によって平成13年に大学院生命科学研究科の所属となりましたが、引き続き化学科生物化学研究室の助教授として教鞭をとられました。 平成14年には教授に昇任され、以来、先端理化学講座・生物化学研究室の主宰者として、化学教室のためにご尽力頂きました。 化学教室の中で生命科学研究科に所属し青葉山に居を構える唯一の研究室として、特色ある教育・研究環境を化学教室に提供し続けて頂きました。 平成29年3月3日に行われた最終講義では、長きに渡り取り組んでこられた遺伝子の転写調節機構に関する研究の集大成をご講演頂くとともに、 ご趣味のバンド演奏を映像でご披露頂くなど、気さくな先生としての存在感を存分にお示し頂きました。 これまでの十川先生のご尽力に深く感謝の意を表するとともに、ますますのご健勝とご発展をお祈り申し上げます。

その他にも、平成28年度は多くの教職員が栄転・着任されました。平成28年4月1日から平成29年3月31日までに採用、昇任、異動された方々は以下の通りです。

講師 加藤 信樹 H28. 4. 1 付 採用 (有機化学第一研究室)

助手 Li, Feng H28. 5. 1 付 採用 (反応有機化学研究室)

助教 河底 秀幸 H28. 7. 1 付 採用 (無機固体物質化学研究室)

准教授 金 鉄男 H29. 3. 1 付 採用 (巨大分子解析研究センター)

助教 梶本 真司 H28. 9. 1 付 辞職 東北大学大学院薬学研究科講師へ

助教 藤野 智子 H28.11.30 付 辞職 東京大学大学院理学研究科助教へ

助手 Li, Feng H28.12.31 付 辞職 Yale大学 博士研究員へ

教授 十川 和博 H29. 3.31 付 辞職

化学専攻事務室

事務職員 長田 美希 H28. 4. 1 付 異動 専攻長秘書へ

主任 渋田 綾麿 H28. 7. 1 付 異動 宮城教育大学入試課入試係主任へ

事務一般職員 齋藤 千春 H28. 7. 1 付 異動 教育・学生支援部キャリア支援事務室就職係より

昨年に引き続き、名誉教授の先生による一般雑誌会を平成29年1月10日に開催致しました。 平成28年度は、講師として伊藤光男名誉教授をお迎えし、「私のラマン」と題して、研究の醍醐味をラマン分光の世界的な第一人者である先生よりご講演頂きました。 ご講演の最後にはご趣味である水彩画をご紹介頂くなど、凛とした研究のご紹介とは対照的に和やかな雰囲気でのしめくくりとなりました。 当日は名誉教授の先生方にもお集まりいただき、大変楽しいひと時となりました。

青葉山キャンパス全体の動きとしては、平成28年度末に農学部・農学研究科が雨宮キャンパスより青葉山新キャンパスに引っ越しが完了しました。 平成27年12月に開通した地下鉄によって交通の便が格段に上がったこともあり、青葉山一帯の環境整備が一層進捗したと実感できるようになってきました。 新キャンパスでは今後も厚生施設ならびに寄宿舎の建設が計画されており、これらの整備が進むことでより魅力的なキャンパスへと生まれ変わることが期待されます。

教育施策では、本年度も引き続き、博士リーディングプログラム「マルチディメンジョン物質理工学リーダー養成プログラム」と 総長裁量経費「卓越した大学院拠点形成(分子系高次構造体化学国際教育研究拠点)」の助成を受け、大学院博士課程の学生の支援に充てております。 理学研究科の大学院英語コース「先端理学国際コース(IGPAS)」、理学部の英語コースとして化学科では国際学士コース「先端物質科学コース(AMC)」を継続し、 国際性豊かな教育環境を整え、多様性に富んだ人材育成に努めています。

以上、化学教室の近況をご報告申し上げました。

今後も化学教室の発展に向け、構成員一丸となって邁進していく所存ですので、引き続き同窓会の皆様のご協力とご支援を賜りますと幸いに存じます。

末筆ながら、皆様の益々のご健勝とご発展をお祈り申し上げます。

平成29年7月11日


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