学生受賞記念寄稿



藤瀬賞受賞を受けて 中島 祐司

藤瀬賞受賞を受けて 石川 奨

化学専攻賞受賞を受けて 菊池 隼

化学専攻賞受賞を受けて 佐藤 貴哉

青葉理学振興会奨励賞受賞を受けて 竹内 優輔

青葉理学振興会奨励賞受賞を受けて 伊藤 悠吏

      

青葉理学振興会奨励賞受賞を受けて 山本 卓

荻野博・和子奨学賞受賞を受けて 奥野 浩行

荻野博・和子奨学賞受賞を受けて 手塚 光

総長賞受賞を受けて 鈴木 和磨

総長賞受賞を受けて 梨 司


藤瀬賞受賞を受けて


中島 祐司


この度は藤瀬賞をいただきまして誠に光栄に存じます。この場を借りまして、日ごろ研究指導してくださる先生方や、研究生活を支えてくださる理論化学研究室の皆様に感謝申し上げます。とくに、貴重な時間を割いて院試勉強会を開いてくださった先輩方とスタッフの方々にお礼申し上げます。  賞をいただきましたのは去る平成28年の5月であり、院試を受けましたのは一昨年の8月です。この文章をしたため始めるまでに早くも2年弱が経過してしまいましたが、この間に国内外のさまざまな学会に参加したり、分子科学若手の会に参加したり、そして研究室配属時より続けてきました「気相クラスターイオンの光解離画像観測」のための実験装置の改良や解析手法の開発についても進展が見られたりと、色々なことが詰まった2年間を過ごしてきたように思います。しかしながらその中で非常に希薄であったものといえば、昨年8月に参加した画像観測分野の30周年を記念したアメリカでの学会の場の空気であり、それというのも、そもそも会場がコロラド州の3千メートル級の山々に囲まれた標高の高い土地にあり、当然のごとく気圧が低かったからでした。大学院へ進学したての頃にこの学会へ参加できたことは、タイミングに恵まれたことであるとともに、ただの体験談で終わらせてしまうには惜しいとも感じています。  喉元過ぎれば熱さを忘れるとでもいいましょうか、院試勉強していたときのことはよく覚えておりませんので、最近読んでいる本について話させていただきます。近頃は日本語文法の本(丸谷才一と大野晋の対談集)を好んでいますが、古文や和歌で頻出する「けり」「かも」「や」「か」などの言葉の勘どころが的確に抑えられ、ぜひ高校生のときにこの本を手に取りたかったものです。「言葉づかいには全体の釣合いがある」ということ、そして「釣合い全体の変化」を見なければならないという文章を読んだ際には、目から鱗が落ちるようでした。現代を代表する作家と文法学者の対話も、広範な知識に基づく機知に富んだものであり、議論とはこのように進めるものなりけりと、感心させられます。そして意表を突く新しい見方というものは、確かな知識の上に成り立つことを痛感させられます。  最後になりましたが、東北化学同窓会の益々のご発展をお祈り申し上げます。


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藤瀬賞受賞を受けて


石川 奨


この度私は、名誉ある藤瀬賞を頂きました。この場を持ちまして、日頃からご指導ご鞭撻いただいている、寺田眞浩先生を始めとした反応有機化学研究室のスタッフの方々に感謝申し上げます。また、親身に院試勉強のサポートをしてくださった先輩方や、共に高めあい今でも同じ研究室で切磋琢磨する友人たち、そして応援してくれた家族にも同様に感謝いたします。 私は配属以前から、この反応有機化学研究室で研究を続けたいという意思があり、その気持ちを強く持って院試勉強に臨みました。基本的に、図書館など公共の場ではなく自宅にこもって勉強を進めたので、適度に心にゆとりを持つことができました。また適度に周囲に誘惑がある中自分を勉強する姿勢へと追い込みながら、院試のための休み期間を過ごしました。今回、このような名誉ある賞を頂くほどの結果に結びつけることができ、家族や研究室の方々など周りの皆様の応援があったからこそ、というのは勿論のことなのですが、まずは努力し続けることができた当時の自分自身に対して、お疲れ様と言いたいです。 私は、研究室配属時に与えられた研究テーマである、塩基触媒を用いた[1,2]-ホスファブルック転位による新規反応の開発を、幸運にも昨年終えることが出来ました。そして現在は、新たなコンセプトに基づく強塩基性キラル塩基触媒の開発および、それを用いた不斉触媒反応系の開拓という長期的な研究に従事しています。触媒開発の中でも未知の領域でありますので、なかなか自分で思いついた発想も良い結果には結びつかず、辛さを感じることが多々あります。それでも、やはりそのような新しいことにチャレンジすることこそ研究の醍醐味かつ楽しさであり、その中で新しい知見を見いだせたならば、その喜びはとても大きいものだと思います。その気持ちを胸に、今後の研究および進学予定である博士課程後期における研究でも、自ら有機化学の未知の世界に飛び込んでいきたいと思う所存です。 最後に、このような機会を与えていただいた東北化学同窓会の皆様に御礼申し上げるとともに、皆様の益々のご発展をお祈り申し上げます。


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化学専攻賞受賞を受けて


菊池 隼


この度は博士課程修了に際して、化学専攻賞を受賞することができ、大変光栄に感じております。この場を借りて、指導教官である寺田眞浩教授およびスタッフ、学生の皆様に深く御礼申し上げます。 東北大学に入学した当時、「それなりに頑張って、さっさと企業に就職しよう」という考えだったので、研究室に配属されてからの6年半はまったく予想外の大学生活となりました。この原稿を書くにあたり、よい機会だと思い、研究室生活を振り返ってみました。 学部3年後期になり、私は寺田研究室に配属されることとなりました。人生のひとつの転機となったのが、配属半年後に発生した東日本大震災です。幸い無傷で避難することができましたが、実験室は多大な被害を受けたため、その後の一年間は薬学研究科の岩渕研究室の実験スペースをお借りして研究を行うこととなりました。 修士一年からは、再び化学棟での生活が始まり、気づいたら進路を決める時期となっていました。震災後に私の中に生まれた考えとして、「人生一度きり、いつ何が起きるかわからないんだから、後悔しないようにもっと冒険したらいいんじゃないか」というものがあります。この考えと、徐々に感じてきた、研究の企画ができるようになりたいという気持ちが合わさって、博士後期課程への進学を決めました。 博士後期課程においては、愛知県の分子科学研究所で一年半ほど研究をすることになったり、アメリカへ留学したり、再び仙台に戻ったり、といったようにドタバタとしていたため、あっという間の3年間となりました。 この6年半、研究場所は転々としましたが、その中でいろいろな環境を知り、多くの人と出会う機会を得ることができました。いつしか「化学を通すことで、国を越えて色々な人、考えに触れることができる」、そんな世界が私にとって素敵なものであると感じるようになってきました。 現在私は、引き続き寺田研究室にて助教として研究をさせていただいております。決して初めから考えていた通りの道ではありません。色々な出来事、人との出会いの末、このような機会をいただくことができました。これからも何が起きるかわかりませんが、わからないからこそ、その場その場で必死に努力を重ねてまいりたいと思います。 最後になりますが、このような機会を与えて下さった東北化学同窓会の皆様に厚く御礼申し上げるとともに、本会の益々の御発展をお祈り申し上げます。


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化学専攻賞受賞を受けて


佐藤 貴哉


日頃はひとかたならぬご懇情を賜わり、深謝申し上げます。 さて、この度は化学専攻賞を賜りまして、大変うれしく思っています。このような名誉ある賞を頂けたことは、ひとえに西澤精一教授、寺前紀夫名誉教授のご指導の賜物と心よりお礼申し上げます。また、選考に関わられた先生方に感謝申し上げます。 私は、学部3年後期から博士課程後期を修了するまで、分析化学研究室に所属しておりました。研究室配属を私の研究者としてのキャリアのスタートとするならば、それは、研究内容を一切知らず、ほぼなんとなく研究室を選んだ、やや動機不純なものであったことを思い出します。研究室在籍中は、有機合成から分光学的・熱力学的・速度論的解析、さらには細胞を用いたアッセイと、幅広いことをやってきました。一つのテーマを数年にわたって取り組んでいても、興味のある分野は分子認識学、分光学、核酸化学を中心に多方面へ広がっていったように思います。 現在私は、製薬会社の研究者として働いています。会社で働く上では、ずっと頑張ってきた分野(あるいは技術)を持ち、それに自信を持つことは大変重要だと感じています。私のスペシャリティはなんだろう、と考えたとき、それはおそらく核酸化学ですが、様々な実験を実際に手を動かしてやってきた、という点もまた、私の強みではないかと思うようになってきました。同僚がわからないことを私なら知っている、という状況は、今後社会で活躍していく際に大変重要であり、自分が輝ける瞬間です。一方で、働き始めると全く新しいことを学んでいくことは、学生時代ほど容易ではなくなります。学生の皆様には、将来のキャリアプランに関わらず、是非多くの実験を自身の手で行い、幅広い知識・技術を取り入れていただきたいと思っております。  私自身も、まだまだ若輩者ではありますが、これからは企業人として活躍し、社会へ貢献できるよう力を尽くす所存です。 末筆ながら、東北化学同窓会会員の皆様のご健勝と、同窓会のますますのご発展をお祈り申し上げます。


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青葉理学振興会奨励賞受賞を受けて


竹内 優輔


この度は,青葉理学振興会奨励賞を受賞することができ,大変光栄に感じております.また,東北大学に入学してから3年間の成果を認めていただいたきとても嬉しく思います. 本受賞を機に,過去3年間の大学生活を振り返ってみたいと思います.3セメスターまでは教養科目が中心で,講義の数自体も少なかったので,自宅で化学の教科書を読んで理解を深めていました.4セメスターに入ると,午前は専門科目の講義,午後は学生実験という生活スタイルになり,それまで以上に化学に触れる時間が増え,勉強面ではとても充実した生活を送ることができました. 現在,私は有機化学第一研究室に所属しています.当研究室では,主に植物に対し生理活性を持つ天然有機化合物を活用したケミカルバイオロジー研究を行っております.その研究対象の1つに,アメリカネムノキがあり,この植物は夜になると葉を閉じ朝には再び葉を開く就眠運動を行うことが知られています.この植物の就眠物質としてジャスモン酸グルコシド(JAG)が単離同定されています.しかし,JAGがどのようなタンパク質に作用し,またどのような機構で葉が開閉するのかはよくわかっていません.私の卒業研究では,認識タグと反応性官能基を付けたJAGを有機合成し,標的タンパク質の同定に取り組む予定です.最終的には,就眠を司るJAG標的タンパク質を解析して,植物はなぜ眠るのかを明らかにしたいと考えています. ケミカルバイオロジー研究を進めるにあたり,有機合成と分子生物学の両方の実験手技を身につけなければなりません.同時に,研究テーマに関する論文のみならず幅広い分野の情報にもアンテナをはり,自身の研究を深める必要があります.今後も日々努力を重ねることでこれらの技能を習得していきたいです.そして将来的には,有機合成と分子生物学の両方の技能を持つ研究者として活躍したいと思っております. 最後になりますが,このような名誉ある賞を授けてくださった青葉理学振興会の皆様,私の学生生活を支えてくれた家族や周囲の友人,講義を行ってくださった教官の方々,また寄稿の機会をくださいました東北化学同窓会の皆様に厚くお礼申し上げると共に,益々のご発展をお祈りいたします.


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青葉理学振興会奨励賞受賞を受けて


伊藤 悠吏


この度、青葉理学振興会奨励賞を受賞いたしました。名誉ある賞を受け、大変嬉しく思います。学部三年次までの学業成績に対する賞ということで、お話を頂いたときはこれまでの地道な努力が報われたような気がし、安心に似た感情を覚えました。このような特別な機会を設けてくださった東北化学同窓会の皆様に深く御礼申し上げます。 東北大学に入学してからの三年間を振り返ってみますと、特に学業に関しては、知的好奇心という健全なモチベーションのもとに取り組めていたように思います。誰に強制された訳でもない大学での勉強が今日までずっと続いているという事実は、それだけの魅力が自然科学にあること、そしていかに自分が没頭しているのかを表しているのでしょう。この三年間、定期的に訪れる期末試験や課題には確かに苦しめられましたが、新しい知識を得ることに対しては常に前向きにいられた気がします。 現在は、理論化学研究室で光解離反応のダイナミクスを研究しています。実験系ということもあり、座学にほとんどの時間を割いてきたこれまでとは違って、実際に手を動かしながらあれこれ考えることが増えました。研究に関しては全くの未熟者で、自分のテーマに取り掛かって半年が過ぎた今でも、勉強すべきことが山のようにあります。成果が出るまでまだまだ時間はかかりそうですが、焦らず気長に、堅実に前進したいと思っております。幸せなことに、私は自分の研究に愛情とやりがいを感じていますので、これから先、苦しみながら研究を進めていくことに無理矢理な理由付けをする必要がなくて済みます。 大学の研究室、友人、家族、どこを見ても私のいる環境は恵まれすぎています。とりわけ家族には、丈夫な体を与えてくれたこと、22年もの間、日常を支え続けてくれたこと、本当に感謝しています。 今回の受賞は大変光栄ですが、現段階の私はまだ何者でもありません。長い歴史の中で、化学の持つ創造力は世の中を大きく動かしてきました。そういう、広くて躍動感のある化学の世界に、私はまだ片足も入り切っていない状態です。これから一人前に成長するためは、勉学に対するひたむきな姿勢がずっと必要でしょう。あとは時偶の誉め言葉があればなお良い訳ですが、この機会がまさにその一つとなりました。 最後に、改めて東北化学同窓会の皆様へ感謝申し上げます。同会の益々のご発展を祈念いたします。


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青葉理学振興会奨励賞受賞を受けて


山本 卓


この度は青葉理学振興会奨励賞という名誉ある賞をいただき大変光栄に思います。受賞に当たり、これまでご指導いただいた先生方をはじめ、勉学や精神的な面で支えとなってくれた家族や友人に感謝申し上げます。この三年間の大学での学習姿勢を高く評価していただいたことが素直にうれしいと思う反面、今後の自身の行動にこそ、その真価が問われていくのだろうと身を引き締める思いでもあります。 大学に入学したばかりの頃を思い返すと、実は強い動機があって化学科に入ったわけではなかった私は、将来に対する漠然とした不安を抱きながら、何をすればよいか模索していました。そんな私が化学という学問と向き合うきっかけとなったのは、物理化学の講義でした。分子の結合や化学反応を論じる際に、学問の枠組みを超え、量子力学(物理学)や群論(数学)などの様々な考え方を取り入れながら事象を説明する姿に化学の奥深さを見た気がしました。当時の私にとっては難解な内容でしたが、それまで大学に合格するためのツールでしかなかった化学を純粋に面白いと感じられた瞬間でもありました。それからはこうした学問同士の繋がりをしっかり理解したいという考えから、化学は勿論のこと、物理学や数学の講義も積極的に受講するようになっていきました。自分の興味の向くままに知識を習得していくことは苦になりませんでした。 現在、私は無機固体物質化学研究室に所属し、福村先生をはじめとした先生方のご指導のもと、異常原子価を持つ希土類酸化物の諸物性について研究しています。研究テーマの理論的背景を理解するのは容易ではなく、自身の勉強不足を痛感する毎日です。実験は思い通りの結果にならないことのほうが多いですが、周りの教員や先輩方からアドバイスをいただきながら少しずつ前進しています。今後も現状に甘んじることなく、研鑽に励んでゆく所存です。 最後になりますが、このような名誉ある賞を授けていただいた青葉理学振興会の皆様、そしてこのような機会を与えてくださいました東北化学同窓会の皆様に厚く御礼を申し上げるとともに、今後のさらなるご発展を祈っております。


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荻野博・和子奨学賞受賞を受けて


奥野 浩行


この度、荻野博・和子奨学賞を受賞することになり、大変光栄に存じます。本賞を設立された荻野博、和子両先生、ご指導いただいた先生方、またこれまで支えて下さった友人、家族に深く感謝申し上げます。

学業成績優秀者としての表彰ということですが、自分はまだまだ未熟者であり化学の勉強が全く足りていないと痛感する日々です。今後、より一層精進して真摯に研究に取り組んでゆく所存です。

私は高校時代、授業で行った低温での化学反応の実験をきっかけに化学に興味を持ちました。この反応を最初に行った人はどうしてこんな条件で実験を行ったのか、と考えるとわくわくしたことを覚えています。大学では様々な化学の講義や実験を通して、化学の本質的な原理と、より多様な反応や物質に触れることができ好奇心を持って勉強することが出来ました。さらに多くの反応を知り、またそれを利用して新たな物質を作りたいと思い、有機化学の研究室を選択しました。

現在私は学際基盤化学研究室に所属しており、小俣先生のご指導のもと、小分子活性化反応において金属触媒に取って代わるような有機分子触媒を合成する研究を行なっております。そのような有機分子触媒を合成することは、環境負荷を低減することに繋がるため、環境汚染が問題となっている現代において非常に重要な研究であり、やりがいを感じております。有機化合物の反応性は想像以上に多様であり、実験は思い通りの結果にならないことが多く一筋縄ではいきませんが、先生方や研究室の方々から助言を頂くことで、少しずつ目的とする物質へと近づくことが出来ています。現在は触媒活性を示すのに不可欠なホウ素原子を導入する反応を検討しております。ホウ素試薬の反応性に関しては不勉強であったため、今は過去の論文を読み知識を蓄えることに注力しています。今後も研究に邁進し、目的物質を合成できるように励んでゆく所存です。

最後になりますが、このような機会を与えて下さった東北化学同窓会の皆様に深く感謝を申し上げるとともに、本同窓会の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。


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荻野博・和子奨学賞受賞を受けて


手塚 光


この度、荻野博・和子奨学賞という名誉ある賞をいただきましたことを非常に光栄に思います。この場をお借りして、本賞を設立された荻野博・和子両先生、日頃お世話になっている先生方と先輩、共に勉学に励んだ友人、日々の生活を支えてくれている両親に感謝申し上げます。

受賞寄稿にあたって私のこれまでの大学生活を振り返ってみたいと思います。恥ずかしながら入学直後の私は大学の講義はテストの前だけ勉強すれば良いと思っていました。そのため授業もほとんど聞いておらず、化学Aの講義を理解することができませんでした。化学を学ぶために東北大に入学したのに化学の講義さえも理解できないことに焦りを感じた私はその後の専門科目の講義で、講義後に少しずつ復習をするように努めました。そうしたところ徐々に理解できる範囲が広がっていき、化学の面白さをより一層感じることができるようになりました。そして化学の本質とその面白さが詰まった先生方の講義とそれを理解するための復習という小さな努力が今回の受賞に繋がったように思います。この賞の受賞を伝えられたときは3年間の努力が報われたようで大変嬉しく思いました。またこの体験が日々の努力の積み重ねの重要性を知る良いきっかけとなりました。今後の研究室での生活に生かしていきたいと思います。

現在は反応有機化学研究室に所属し、日々寺田先生をはじめとする先生方や先輩の指導のもと研究に励んでいます。研究ではうまくいかないことも多く、自分の知識不足を痛感させられています。まだまだ自分で考えて研究を進めるということはできませんが研究室での生活はとても刺激的で充実しています。このような生活が送れているのは指導してくださっている先生方、先輩方あってこそであり、改めて感謝申し上げます。すでに寺田先生に釘をさされたことではありますが、今後もこの受賞に満足することなくより一層精進していく所存です。

最後になりましたが今回このような素晴らしい機会を与えてくださった東北化学同窓会の皆様に深く感謝を申し上げるとともに、本同窓会の益々のご発展を心からお祈りいたします。


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総長賞受賞を受けて


鈴木 和磨


この度は、総長賞という名誉ある賞を授かり誠に光栄に存じます。今回このような賞をいただくことができたのは、数理化学研究室の先生方のご指導をはじめ、同研究室の先輩方、四年間共に学んできた同期の友人、そしていつも支えてくれる家族のおかげであると思っています。この場を借りて、感謝の気持ちを述べさせていただきます。 授業に真剣に取り組んでいたものの、私の学部生の頃の成績は平凡なものだったので、受賞の知らせを聞いたときは、大変驚きました。そんな私がこの賞をいただくことができたのは、大学院博士課程前期試験で良い成績を残すことができたからだと思っています。学部に引き続き修士でも数理化学研究室で研究を行いたくて、必死になって院試勉強をしたことがそのような結果に結びついたと考えています。 当時、研究室の同期の中で私を含めて3人が研究室に残ることを希望しており、3人とも院試でいい成績を残さない限り、研究室に残れるのは成績順で2人までという状況でした。私は電子ダイナミクスの理論的な研究がしたかったので、それが可能な数理化学研究室にどうしても残りたいと考えていました。そのため、同期に負けないように大学院入試までの一ヶ月間、ほぼ毎日研究室に来て必死に勉強しました。苦手な分野を中々克服することができず不安が募り、何度も挫けそうになりましたが、同期の仲間と切磋琢磨し、時に不安を分かち合いながら努力した結果、研究室に残ることでき、また、このような賞をいただくこともできました。 現在は、数理化学研究室で、河野先生のご指導の下で、私がやりたかった電子ダイナミクスの研究をしています。卒業研究を経て、少しずつではありますが研究というものに慣れてきたところです。しかし、まだまだわからないことが山のようにあり、思うように研究が進まずに苦しい時もありますが、同時にやりがいも感じています。答えが用意されている大学院入試と研究とでは必要な能力は異なると思いますがこの素晴らしい賞に恥じないように日々精進していきたいと思っています。 最後になりますが、このような素晴らしい機会を与えて下さいました東北化学同窓会の皆様に感謝を申し上げるとともに、より一層のご発展を心からお祈り申し上げます。


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総長賞受賞を受けて


梨 司


 この度は、東北大学総長賞という名誉ある賞を受賞することができ、大変光栄に存じます。 総長賞は、東北大学の教育目標にかない、かつ学業成績が特に優秀な学生を表彰する賞とのことで、私がこれまで多くの人々に支えられて行ってきた研究活動が評価されたことを嬉しく思います。  私は、修士課程まで工学研究科の応用化学専攻に在籍し、金属担持固体触媒の表面構造を分光学的手法によって評価する研究を行ってきました。そこで芽生えた化学反応の進行を分子レベルで理解したいという興味を探求するため、理学研究科化学専攻で博士課程より研究を行ってきました。このような経歴を持つ私にとって、博士課程進学当初は不安もありましたが、化学専攻の研究室には各個人の経歴や興味に関わらずそれを尊重し、高めあう素晴らしい雰囲気が醸成されており、すぐに新しい仲間と共に研究に打ち込むことができました。  加えて、化学専攻の特色として、自分の研究に対する情熱だけでなく、自分以外の人が行う研究にも強い興味を持っていることを感じ、仲間や先生方との議論を通して研究を進めることができたのも私にとってはかけがえのない経験です。  私の博士課程での研究は、極紫外・X線自由電子レーザーを用いた時間分解測定による分子内超高速緩和過程の解明です。極紫外・X線自由電子レーザーは未だ世界に数えるほどしかない最先端の巨大計測施設です。このような大型施設を用いた最先端の研究に取り組むことができたのも、国内外の数多くの共同研究者のご協力の賜物に他なりません。私の研究に関わって下さった皆様へ感謝の意を表します。そして、最先端の研究が各所で行われている化学専攻の一員として研究に邁進できたことを誇りに思います。 最後になりましたが、このようなありがたい機会を設けてくださった東北化学同窓会の皆様へ感謝の気持ちを表しますと共に、同会の今後の益々のご発展をお祈り申し上げます。


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