同窓会本部より


東北化学同窓会会員の皆様へ


幹事  笠井 均


同窓会会員の皆様におかれましてはご健勝のこととお喜び申し上げます。

東北太平洋沖地震から6年が経ち、やっと東北大学も落ち着きを取り戻してきたという実感が出てきました。 化学教室においても、合同C棟等の建設や各棟の耐震補強改修を終えて、元の化学教室にあった「研究第一主義」の時間が流れ始めていることが、 私が日頃在席する片平キャンパスからも感じます。 化学教室の詳しい状況は、本会報の「化学教室便り」で寺田専攻長にお知らせいただいておりますので、そちらをご参照くださいませ。

さて、青葉山にも仙台市営地下鉄東西線の青葉山駅ができ、交通の便が大変よくなりました。 ちなみに、この駅は、日本で一番標高が高いところにある地下鉄の駅らしいですが、一瞬何を言っているのかよく分からない話ですね。 とにかく、仙台駅構内も様変わりしており、活気が出てきていますので、同窓会会員の皆様におかれましては、機会がございましたら、ぜひ 仙台駅を探索した後、地下鉄を使いまして、化学教室にお立ち寄り頂けると嬉しく思います。

化学教室が関連する平成28年度の話題を2つ紹介いたします。一つ目は、理研の森田浩介博士らのグループにより合成が確認されて、 平成28年度に原子番号113として新元素に認定された「ニホニウム」に関してです。これには、1908年に東北大学化学教室の小川正孝教授が、事実上は当時未知だった75番元素「レニウム」を発見していながら、 これもまた未知だった43番元素とし、新元素「ニッポニウム」と命名したという歴史的経緯がありました。 残念ながら、ニッポニウムという名は、幻となってしまいましたが、その経緯も含めて、今回ニホニウムという名前が誕生した可能性が高いと私は拝察しております。

二つ目は、ノーベル化学賞を受賞したオランダのバーナード・フェリンガ教授の研究に関してです。 受賞題目は、「分子マシンの設計と合成」というものでしたが、実はここで使われている元々の分子が最初に合成されたのは、 当時反応化学研究所(現:多元物質科学研究所)の原田宜之(化学教室出身)研究室でした。 フェリンガ先生と共同研究者でも在られた原田宜之先生は、ある意味ノーベル賞寸前の世界を見ていたとも言えます。 しかも、その当時、私も同じ研究所内にいた上、研究を実際にやっていた甲村長利博士(化学教室出身、現産総研)とは25年来の友達なので、大変感慨深い話でした。

次年度(平成29年)は総会の開催はございませんが、同窓会を取り巻く状況の変化にしっかりと対応しながら、 皆様にとりましてより良い同窓会の将来を目指していきたいと思っております。

最後に、本年度の本部幹事を紹介させて頂きます。庶務幹事は佐藤雄介(理化・分析)、広報担当は荒木保幸(多元)、会計担当は近藤梓(理化・巨分)、 幹事長は笠井均(多元)が務めており、事務局は昨年に引き続き横林洋子が担当しております。至らぬ点が多々あるかと存じますが、お気づきの際にはどうか忌憚のないご意見をお聞かせ頂けますようお願い申し上げます。


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