化学教室この一年
化学専攻長・学科長 飛田博実
同窓会会員の皆様におかれましては,ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。本年度は飛田が化学科長および化学専攻長を務め,学科委員の上田実教授とともに化学教室・化学専攻の運営に当たっております。
3月には,境界領域化学講座反応有機化学研究室担当の山本嘉則教授および物理化学講座量子化学研究室担当の三上直彦教授が定年退職されました。両先生には,長年にわたる研究活動の傍ら,化学教室のみならず理学部,東北大学全体,さらには日本の化学界のためにご尽力いただきました。また三上先生は国立大学法人化直前の専攻長として,また山本先生は法人化直後の専攻長並びに21世紀COEの拠点リーダーとして優れた指導力を発揮され,国立大学始まって以来の大変革をスムーズに乗り切り,化学教室のさらなる発展へとつなげるのに大きな貢献をされました。ここにあらためて山本,三上両教授の業績を称えるとともに,多大の貢献に感謝の意を表したいと存じます。なお,山本先生は分子変換学寄附講座教授として,三上先生は客員教授として,現在も本研究科に在籍して研究を継続されており,また山本先生は副学長としてもご活躍中です。
昨年5月から今年10月までに採用や異動された方々は以下の通りです。法人化以降,異動される方の数は増えましたが,この一年は特に多く,アクティビティーの高さと同時に,法人化に伴う組織や人事制度の多様化を反映しているものと思われます。
助手 山下 修治 17.9.1付 東北大学大学院博士課程後期課程から
助教授 関根 勉 18.1.1付 東北大学高等教育開発推進センター教授へ
助教授 木野 康志 18.1.1付 先端理化学講座助手から
助手 瀬高 渉 18.2.1付 東北大学高等教育開発推進センター助手へ
助手 前山 俊彦 18.2.1付 東北大学高等教育開発推進センター助手から
助手 HOBLEY, Jonathan 18.3.31付 辞職
助手 PATIL, Nitin Tukarum 18.3.31付 辞職
客員教授 伊藤 翼 18.4.1付
客員研究員 長瀬 賢三 18.4.1付
教授 寺田 眞浩 18.4.1付 境界領域化学講座助教授から
助教授 熊谷 勉 18.4.1付 滋賀県立大学工学部教授へ
助教授 宮坂 等 18.4.1付 首都大学東京都市教養学部助手から
助教授 西澤 精一 18.4.1付 無機・分析化学講座講師から
助手 池田 浩 18.4.1付 大阪府立大学大学院工学研究科助教授へ
助手 高山 努 18.4.1付 大同工業大学教養部助教授へ
助手 石井 和之 18.4.1付 東京大学生産技術研究所助教授へ
助手 森田 耕太郎 18.4.1付 科学技術振興機構研究員へ
助手 加藤 信樹 18.4.1付 名古屋市立大学大学院薬学研究科助手へ
助手 清水 宗治 18.4.1付 京都大学大学院博士課程後期課程から
助手 岡田 正弘 18.4.1付 名古屋大学21世紀COE研究員から
助手 金 哲男 18.4.1付 Wayne State大学Research Assistantから
事務員 千葉 裕子 18.4.1付 医学系研究科教務係へ
事務員 鳳城 憲一 18.4.1付 新規採用
技術職員 吉田 慎一朗 18.4.1付 新規採用
講師 庄司 満 18.6.1付 東京理科大学工学部助手から
助手 寺西 慶哲 18.6.1付 産学連携研究員から
助教授 浅尾 直樹 18.8.1付 巨大分子解析研究センター助教授へ
助教授 門田 功 18.8.1付 岡山大学大学院自然科学研究科教授へ
助手 櫻井 香里 18.9.1付 ハーバード大学博士研究員から
助手 櫻井 香里 18.10.1付 東京農工大学特任助教授へ
助手 椴山 儀恵 18.10.1付 ハーバード大学博士研究員から
生命科学研究科 助手 鳥居 暁 18.7.1付
東北大学が法人化されて2年半が経過し,化学教室も激動の時代に入っております。成果主義が強調され,大学間の競争が激化し,それに勝ち残るために要求される仕事の種類,絶対量は急速に増加しており,教員,職員とも益々忙しくなっております。従来の教員ヒエラルキーにとらわれない効率的な教員組織への移行は急務です。来年度よりスタートする教員組織新制度(教授,准教授,助教を中心とする制度)がその一端を担ってくれることを期待しております。
若手研究者養成のための支援組織として,今年度国際高等研究教育院が発足しました。全学の修士の中から50名,博士の中から30名が選ばれるという少数精鋭主義教育によって,国際的に通用する若手研究者を養成しようとするものです。また,本学理学研究科化学専攻と中国科学院上海有機化学研究所および大連理工大学との間に学術交流協定が締結されました。これらはいずれも,研究教育のグローバル化という時代の流れに対応したものです。
化学教室関係の賞として,長年の間4年次学生で学業成績が優秀な者に授与されてきたヨシ・エス・クノ奨学賞が,今年度限りで廃止されることになりました。同時に同じ受賞者に贈られてきた荻野博・和子奨学賞は,荻野博先生のご厚意で当分の間継続されます。また,昨年度から,化学専攻の博士課程後期課程の学生の中から業績が極めて優秀な者に対して「化学専攻賞」が授与されております。
以上,化学教室の近況をご報告申し上げました。今後もいっそうの発展に向けて,化学教室の構成員一同力を合わせて努力していく所存ですので,同窓会の皆様のご協力とご支援をお願い申し上げます。
末筆ながら,同窓会会員の皆様の益々のご健康とご発展をお祈り申し上げます。
平成18年12月6日