化学教室便り

化学教室この一年

化学専攻長・学科長 藤村勇一

同窓会会員の皆様におかれましては、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。本年度は藤村が化学科の学科長および化学専攻長を勤め、学科委員の飛田博実教授とともに化学教室・化学専攻の運営にあたっております。

3月には、有機化学講座合成化学研究室担当の吉藤正明教授、先端理化学講座放射化学研究室担当の工藤博教授、無機・分析化学講座基礎無機化学研究室担当の長瀬賢三教授の三先生が惜しまれて定年退職されました。三先生には、長年にわたる研究活動の傍ら、化学教室のみならず理学部、あるいは東北大学全体のために、日本の化学会のためにも尽力いただきました。吉藤先生は理薬図書分館長を兼務され、青葉山地区に学ぶ学生の勉学環境の充実に大きな貢献をされました。工藤先生は理学研究科の評議員を勤められ、法人化された東北大学の教育システムの整備に指導力を発揮されました。長瀬先生には長年全学教育の化学担当の責任者として化学教育の発展にご尽力いただきました。ここにあらためて吉藤、工藤および長瀬三教授の業績を称えるとともに、多大の貢献に感謝の念を表したいと存じます。

昨年8月以後、今年4月までに採用や移動された方々は以下の通りです。

助手 岡崎 雅明 16.8.1付 京都大学化学研究所附属元素科学国際研究センター助教授へ

事務員 小松 文夫 16.8.1付 多元物質研究所管理係りへ

事務員 前野 隆彦 16.8.1付 仙台電波高専会計課から

助 手 小室 貴士 16.9.1付 分子科学研究所 錯体化学実験施設 錯体物性川口グループから

講師 石川 春樹 16.11.1付 神戸大学自然科学研究科分子物質科学専攻助教授へ 

助手 高石 慎也 16.11.1付 CREST博士研究員から

助手 松田 欣之 16.11.1付 コロラド州立大学博士研究員から

講師 大槻 幸義 16.11.1付 物理化学講座助手から

助手 マーティン・J・リアー 16.12.31付 シンガポール大学へ

助手 バジラアチャルヤ・ガン・バハデュール 17.3.31付 帰国 

助教授 早下 隆士 17.4.1付 上智大学理工学部教授へ

助手 加藤 信樹 17.4.1付 東京大学薬学研究科博士研究員から

助手 森田 耕太郎 17.4.1付 科学技術振興機構研究員から

助手 パティル・ニティン・ツカラム 17.4.1付 学振特別研究員から 

助手 小林 正治 17.4.1付 大阪府立大学院理学研究科へ

助手 門馬 洋行 17.4.1付 教務職員から

事務員 松岡 久美 17.4.1付 事務局経理部契約課へ

事務員 大丸 裕美子 17.4.1付 大学病院医事課から

東北大学が法人化されて2年目を迎えました。見切り発車で法人化されたために、教育・研究をすすめるにあたり、未だ少なからず混乱を感じております。定員の削減を求められるなど厳しい面もありますが、新しい制度の下で教育を充実させ研究を発展させようとする試みもいくつかあります。その一つは、来年度から、化学専攻に寄附講座が誕生することになったことです。これは本理学研究科では初めてのことで、化学教室のこれまでの研究活動の質を示すとともに更なる発展を約束するものです。また、来年度より客員教授制度を取り入れることにしました。この制度は外部資金をもって退職される教授に客員教授の地位を与え、研究を発展させるとともに、学部・大学院学生の教育に携わっていただこうとするものです。客員教授制度は全学のなかで著名な外国人教授を採用するためにもうけられた制度ですが、理学研究科内でも化学専攻からの要求により規約をつくりこの制度を発足させることになりました。 

化学教室の教育の充実に関しまして、メディア実習室が11月に整備されました。毎年、学生の教育環境のアンケートをとっていますが、その中で情報科学環境の充実・整備の遅れが指摘されておりました。メディア実習室は、学部学生の講義演習・実験解析、さらに、授業の履修登録や学生同士のコミュニケーションの場としてなど多目的利用をめざしています。

以上、化学教室の近況をご報告申し上げました。今後も一層の発展に向けて化学教室構成員の努力はやむことはありませんが、同窓会の皆様のご協力とご支援をお願い申し上げます。

同窓会会員皆様の益々のご健康とご発展を願っております。

平成17年11月30日




目次に戻る